元社会福祉士がカフェを始めるまで 豆腐や豆乳、優しいメニューが人気「SOYSOY」那覇にオープン


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「幸せを広げたい」と前向きに話すSOYSOYの具志堅玲乃さん=5月6日、那覇市のデパートリウボウ

 【那覇】元社会福祉士の具志堅玲乃さん(42)=本部町=は、県内でカフェ3店舗を手掛けるSOYSOY代表を務める。かつて過労から体を壊し、自然素材の食品に関心を寄せてきた経験から、豆腐や豆乳を使った体に優しいメニューを提供する。本部町内にある2店舗に続き、4月には3店舗目となるカフェを那覇市のデパートリウボウにオープンした。

 SOYSOYで働く人の9割は女性だ。学生や子育て中の母親など、さまざまなステージにいる女性を雇用する。具志堅さんは「女性が輝けるように」とライフステージに合わせた働き方を促進。多様なステージにいるからこそ、互いに補い合えるという。

 社会福祉士時代に過労で体調を崩して故郷の本部町に戻った時、豆腐や果物など地元の豊富な自然素材に注目した。実家が豆腐屋だった。「食から幸せを広げたい」と食を通した働き口作りを目指した。「女性として家庭に尽くす道もあるが、1人の人間としても輝きたい。親のゆとりは子のゆとりにもつながる」との気持ちもあった。

 スタッフや商品が地域密着型であるがゆえに、女性が働き続けることができ、同時に地域のファンを獲得してきた。地域の行事や、スタッフの子どもが多く通う学校の運動会がある日などは、スタッフが行事に参加するため店舗を休業にすることもある。お客さんも「きょうは運動会だから」と理解を示してくれる。コロナ禍でも「地元の人が店舗に来てくれて助けられた」という。

 那覇市への店舗出店を果たし、今後は、女性の活躍推進への取り組みが優良な企業として厚生労働省が認める「えるぼし」認定を取ることが目標だという。具志堅さんは「怖がらないで挑戦したい。幸せをシェアしていきたい」と意欲を見せた。 (金盛文香)