在来の生態系を脅かす特定外来生物の毒ヘビ「タイワンハブ」が沖縄本島やんばるの東村と大宜味村で確認されていたことが5日までに分かった。両村には世界自然遺産登録地があるが、確認場所はいずれも遺産登録地外で、定着は確認されていない。
東村では2019年11月に有銘で住民が1匹を捕獲し、村役場が死骸を確認。大宜味村では21年12月に津波でロードキルに遭ったとみられる死骸を村が確認した。
タイワンハブは本部半島周辺に定着し、捕獲数も集中している。生態系の上位捕食者であることから、遺産登録地内で定着した場合、やんばるの希少固有種が捕食され、生態系に大きな被害をもたらす可能性が大きいことが指摘されている。
やんばる3村と県、環境省は大宜味村塩屋―東村平良の以北に広がる遺産登録地での定着を阻止するため、南側の名護市と連携しつつ、住民から目撃情報を募り、捕獲器を増やすなど対策を強化していく。
やんばるでネイチャーガイドとして活動する上開地広美さんは「ぎりぎりまで(タイワンハブが)迫っている。森の中で定着してしまえば、駆除することは困難だ」と危機感をあらわにする。「外来種は意図せず持ち込まれることが多い。やんばるを訪れる一人一人が外来種について意識してほしい」と話した。
タイワンハブの目撃情報などは、やんばる3村のほか、県自然保護課(電話)098(866)2243、県環境科学センター(電話)098(875)5208へ。
(長嶺晃太朗)