医療データを活用し健康長寿の復活を 名桜大、健康情報学科開設でシンポ


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名桜大学の健康情報学科設立シンポジウムで議論する(左から)木暮祐一氏、西岡徹夫氏、高山義浩氏、本村純氏=4日、浦添市の国立劇場おきなわ

 名桜大学は4日、健康情報学科開設を記念したシンポジウムを、浦添市勢理客の国立劇場おきなわで開いた。第1部の基調講演では、同大学人間健康学部の本村純准教授と県立中部病院の高山義浩医師が登壇した。

 本村氏は長寿県復活を目指す「やんばるプロジェクト検診」の構想を説明した。特定健診の項目から、脂肪肝のリスクを予測するスマホアプリの開発に取り組むなど、データを活用した健康長寿の延伸を目指している。本村氏はこうした取り組みが医療費や介護費用の削減につながるとした。

 高山医師はコロナ禍で医療人スタッフや病床数などをリアルタイムで把握して医療体制を確保している取り組みを紹介したほか、コロナ前から県内は一般病床が足りていないことを指摘した。

 高山医師は「沖縄は急速に高齢化が進んでいる。データに基づく施設整備を進めなければ高齢化社会への対応は厳しい」と話した。

 第2部は、SDGsデジタル社会推進機構の木暮祐一氏と、ハウス食品グループ本社の西岡徹夫デジタル推進部長を加えてパネルディスカッションがあり、医療データの活用方法などを探った。
 (中村優希)