ゴルフのBMWツアー選手権森ビル杯最終日は5日、茨城県宍戸ヒルズCC(7387ヤード、パー71)で行い、国内三大大会第1戦は27歳の比嘉一貴が2イーグル、2バーディー、2ボギーの67で回り、通算12アンダーの272で今季2勝目を挙げた。三大大会は初勝利。1打差の2位が65をマークした大槻智春。さらに1打差の3位が岩崎亜久竜。昨年優勝の木下稜介は通算3アンダーで21位だった。(出場65選手=アマ1、曇り、気温20・3度、東南東の風3・2メートル、観衆3152人)
158センチと小柄な男がビッグタイトルを手に入れた。比嘉は2メートルのウイニングパットを一度構えたが、打てなかった。仕切り直してようやく決め「どの優勝よりも大事な最後のパット。打つ前からあんなに震えたことはなかった」と感無量の表情だった。
この大会は2019年に5オーバー、昨年も10オーバーで予選落ち。挑んでははね返された大会で予選通過するのが今年一番の目標だったという。
優勝という最高の形で苦手コースを克服し「今後の大きな自信になる」と実感を込めた。
3打差の3位でスタートした最終日は2番(パー5)で残り13ヤードの第3打がチップイン。ピンに当たらなければグリーンから出てしまうようなアプローチでイーグルを奪った。3番(パー3)では第1打が手前のクリークに入ったが、跳ね返ってグリーンサイドに。「3、4打は得した気分」と天も味方につけ、頂点に立った。
186センチの星野陸、181センチの岩崎と最終組で回り、見事に2人を逆転。「ひと回り小さい僕でもこうやって優勝できるということを証明できた」と見る者に勇気を与えたいという気持ちがかなった勝利にもなった。
(中井)
恩師「感動した」
比嘉一貴が本部高時代に、監督を務めた知念洋史教諭(中部商)の話 中継を見ていてしびれた。ずっと上位争いに絡み、場数を踏んでの優勝だった。素直にうれしくゴルフファンとしても感動した。非常に真面目な選手で、その性格が今回のメジャー優勝につながったと思う。高校の時からメンタル面も強かった。感情を表に出さず淡淡とプレーするスタイル。プロになってさらに洗練されている感じだ。年間の賞金王を目指して、そして全英で、その小さな体格でどれだけ通じるか楽しみしかない。頑張ってほしい。
最高に気持ちいい
比嘉一貴の話 入れたら優勝というパットを決めて、最高に気持ちいい。こういう経験ができたことがうれしい。この大会で勝ち切れたことは今後の大きな自信になる。
(共同通信)