竹富町発注の工事を巡る汚職事件で、業者側に入札情報を不正に漏らし、見返りに現金計1700万円を受け取ったとして、加重収賄や官製談合防止法違反、公契約関係競売入札妨害の罪に問われた前竹富町長の西大舛高旬被告(74)の公判が7日、那覇地裁(小野裕信裁判長)で開かれた。検察側は懲役4年、追徴金1700万円を求刑した。弁護側は執行猶予付き判決を求めた。判決は7月8日に言い渡される。
検察側は論告で、賄賂が多額で、公務に対する信頼の侵害が深刻だと指摘。「この種の事案の中でも刑事責任は重大で、相当期間矯正施設に収容して規範意識の覚醒を図ることが必須だ」などと述べた。
弁護側は弁論で「一貫して罪を認め、捜査に協力している」と強調。深く反省し、再犯の恐れはないなどとして執行猶予付き判決を求めた。
5月27日の初公判で西大舛被告は「全てその通りでございます」と起訴内容を認めていた。
西大舛被告に現金を渡したとして、贈賄罪などに問われた下請け業者の男(69)=宮古島市と、無職の男(75)=竹富町=も一緒に審理された。検察側は下請け業者の男に懲役3年、無職の男に懲役2年を求刑した。弁護側はいずれも執行猶予付き判決を求めた。
起訴状によると、西大舛被告は2017年5月に町が入札を行った海底送水管更新工事で、最低制限価格を業者側に漏らし、職務上の不正行為への謝礼と知りながら下請け業者の男から1千万円を、20年に入札があった工事についても計700万円受け取るなどしたとしている。無職の男は20年の200万円分の贈賄に関わったとしている。