帝国データバンク沖縄支店は7日、過去20年間の県内企業の動向調査を発表した。観光業主体の県経済は、新型コロナウイルスの流行によって大きな打撃を受けているものの、2000年以降の県内企業数は右肩上がりで、全国一の伸び率となった。米中枢同時テロや東日本大震災など、国内外の出来事に影響を受けつつも、県経済は成長を続けてきた。
帝国データバンクが保有する企業概要ファイルによると、県内の企業数は2000年3月に7991社だったのに対し、22年3月は1万7088社に上り、22年間で2・14倍に増えている。同支店によると、東アジアの中心に位置する地理的優位性や、全国でも数少ない人口増加県として労働生産人口が豊富な点も企業立地を加速させたとみられる。
行政が特区や拠点開発の補助金など支援策を整備し、企業誘致を積極的に取り組んだことも背景にある。同時期で企業数の推移を比較すると、全国的平均は1・29倍で、沖縄が0・85ポイント上回った。伸び率が2倍を超える都道府県は沖縄以外にはなかった。
沖縄移転加速
21年に沖縄へ本社を転入させた企業は、1990年以降の30年間で最多となる24社に上った。転出は8社だったため、16社の転入超過となった。転入企業の内訳は、卸売業が8社で最多、市町村別では那覇市への転入が13社で最多だった。転入する前の本社所在地は東京都が4社で最も多い。
過去30年間で比較すると、年によって数にばらつきはあるものの、転出超過となったのは4年間にとどまった。
女性経営者比率1位
22年3月の時点で、県出身の社長は全国に1万5139人いる。うち、県内で事業展開しているのは1万4015人。県外では東京都の335人が最も多く、首都圏が続いた。業種別ではサービス業が31・9%を占め、最も多かった。
同支店によると、21年の調査で県内の経営者のうち、女性の比率は11・4%となった。90年には全国46位と低い水準だったが、07年に初めて全国平均を上回り、13年に10%を超えて全国1位となった。帝国データバンクは「自身での起業や、同族承継の後継者として配偶者や息女が起用されるケースが多いことも要因の一つと考えられる」と分析した。
(池田哲平)