中華の「北京亭」7月に再開へ 復活へ全国から支援、喜びの報告 沖縄市


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FMコザの生放送でクラウドファンディング達成を報告する(右から)仲本武史さん、仲本兼和さん=1日、沖縄市のFMコザ

 【沖縄】昨年11月に閉店した沖縄市中央の中華料理店・北京亭を復活させるクラウドファンディングが成功した。1日、沖縄市のコミュニティ放送局のFMコザ生放送で関係者が報告した。全国の寄付をした人たちから店舗再開への応援メッセージが届いたことに対し、店主の仲本兼和さん(85)は「身に余る光栄です」と感謝。新店舗は中央パークアベニューでのめどが立ち、兼和さんの味を継承する料理人の人選も進んでいる。兼和さんの85歳からの夢は膨らんでいる。

 兼和さんを応援するクラウドファンディングを立ち上げた県ローラースポーツ連盟理事の仲本武史さん(54)と共に、5月末の締め切りに全国から108万2000円が集まったことが報告された。

 当初は寄付金100万円で餃子、200万円で麺類、300万円で全メニューを提供できる予定だったが、新聞報道などを見た多くの人から中古厨房(ちゅうぼう)機器を格安で販売している情報が寄せられたり、什器(じゅうき)や食器などの寄付もあって店舗再開に必要な物が集まったため、全てのメニューを提供できることになった。武史さんは「123人の思いは大きい」と述べた。

 兼和さんが体力増強のため街を散歩していると、道行く人から激励されたり、直接寄付金を手渡そうとしたりする人もいたという。「応援したいがどうしたらいいか分からない」と話す人々に武史さんが呼び掛け、クラウドファンディングを通して支援してもらい、支援の輪は広がってきた。

 兼和さんは「中華料理が本職だが、女性客や宗教上肉を食べられない外国人にも喜ばれるビーガン対応の新メニューや、中華がゆの朝食サービスにも挑戦したい」と意欲を語った。

 武史さんは「店舗継承のためにも、多言語対応のレジスタッフの配置や電子マネーやカード決済、エアレジ(タブレットを使用するレジアプリ)導入、ウーバーイーツ(配達)対応なども予定している」と話す。今回のケースを「昔からあるお店を継承させていく実例として成功させたい」と意欲を述べた。

 北京亭は7月上旬にプレオープン、下旬には本オープン予定だ。
 (喜納高宏通信員)