沖縄県平和祈念資料館は8日、慰霊の日の沖縄全戦没者追悼式で朗読される「平和の詩」に、沖縄市立山内小学校2年の德元穂菜(ほのな)さんの作品「こわいをしって、へいわがわかった」を選出したと発表した。追悼式のパンフレットに掲載される図画には、県立開邦高校1年の吉原すみれさんの「平和のために」、作文には南城市立玉城中学校3年の花城さくらさんによる「軍服からのメッセージ」がそれぞれ選ばれた。
各作品は第32回「児童・生徒の平和メッセージ」の各部門で最優秀賞を授賞した。同メッセージには、小中高校や特別支援学校などから「平和の詩」に911点、図画に1103点、作文に365点の応募があった。
德元さんの詩では、多くの人が亡くなった沖縄戦の絵を美術館で見て不安になり、抱きついた母親の温かさに「これがへいわなのかな」と感じ、平和を守り続けたい素朴な思いがつづられている。
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吉原さんの絵画では、平和のために、多くの人の悲しむ顔をなくしたいと、涙を流す顔が描かれている。花城さんの作文では、曽祖父母が遺品として残した沖縄戦中の軍服を通して、戦争や平和への考えを改め、非戦の思いを伝えていく重要性に気づかされた気持ちを記した。
6月23日から糸満市や石垣市、那覇市などで開催される第32回「児童・生徒の平和メッセージ展」の告知ポスター・チラシには、浦添市立前田小5年の吉濱日彩(ひいろ)さんの作品「平和、小さな島の大きな願い」が選ばれた。
(嘉陽拓也)