陸自の黎明之塔「参拝」は「極めて組織的」 中止要請の団体が指摘


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黎明の塔に献花する佐藤真第15旅団長=2021年6月23日午前、糸満市摩文仁の平和祈念公園(ジャン松元撮影)

 情報公開で明らかになった防衛省陸上幕僚監部の内部資料には、黎明之塔「参拝」の中止を求めた市民団体への対応も含まれていた。資料では団体名が伏せられているが、中止を要請しているのは県平和委員会と県統一連だ。

 同委員会の大久保康裕事務局長は資料中の要請文が同委員会のものであると明らかにし、「参拝」について「『自発的』の1点しか説明していない。逆に言えば『自発的』と説明する以外に合理化できる理屈がないのだろう」と述べた。

 大久保氏は、想定問答が「個人的な判断」と強調する一方、2021年6月23日に作成された報告書に、隊員の参加人数について「最大25名程度の様子」と記載されていることに着目。「人数まで把握しており、極めて組織的に実施してきたと言える」と指摘した。

 中止要請が陸幕内で共有されていることについては「県民感情に対して神経質になっているのは間違いない」とコメントした。

 第15旅団幹部が「参拝」を続けていることには「対米従属ではないというアイデンティティーを持ちたいのだろう。米軍に従うだけの存在ではないという自我を確立するため、皇軍をよりどころにしているのではないか」と推測した。
 (稲福政俊)