山城3きょうだい、相撲で切磋琢磨 互いに刺激、そろってタイトルも


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 兵庫県で5月29日にあった相撲の全国女子選抜ひめじ大会の中学高校の部(超軽量級、50キロ未満)で、初めて頂点に立った山城絆南(はんな)(12)=神森中1年。相撲を始めるきっかけは、兄の希友斗(きゅうと)(17)=中部農林高3年=と咲武斗(さんと)(16)=同1年=の2人。線は細めだが幼少のころから互いに相撲に打ち込み、切磋琢磨(せっさたくま)している。

相撲に打ち込む山城希友斗(左)、咲武斗(右)、絆南の3きょうだい=4日、浦添市のANAどすこいパーク浦添(金良孝矢撮影)

 絆南が全国制覇した前日、希友斗は県総体の個人戦80キロ級で優勝、高校デビュー戦となった咲武斗は同100キロ級で準優勝した。3きょうだいがほぼ同時にタイトルを取るのは初めてという。

 きょうだいが相撲に出合ったのは、希友斗と咲武斗が小学生の頃。わんぱく相撲大会出場を懸けた神森小校内の試合で、3年と1年の代表に選ばれた。大会に出て「楽しかった」(咲武斗)ことから、浦添市のてだこ相撲クラブに入部。2人の稽古する姿を見た幼稚園児の絆南も「やってみたい」と加わった。

 競技人口が少ない女子相撲。絆南は持ち前の負けん気で競技を続けてきた。学校ではサッカー部に所属するが、週3回は他校の男子相撲部メンバーと稽古を積む。時には兄が練習相手になったり、助言をしてくれたり。相撲の魅力について「一人一人の相撲が異なり、自分自身をつくっていく競技で楽しい」と語る。

 絆南の全国優勝に、希友斗と咲武斗は「びっくりした。自分も頑張らないといけない」と発奮する。3人は互いの活躍が「励みになる」と口をそろえた。

 母親の亜理沙さん(40)は、3人の活躍に「最高ですてきな週末だった」と振り返り、「支えてくれる周りへの感謝を忘れず、健康で相撲を続けてくれたら」と願いを込めた。中農高で兄2人を指導し、絆南もよく知る小濱寿県高体連相撲専門部委員長は「全国優勝は快挙。互いにいい刺激になっていると思う」と話し、今後のきょうだいの活躍に期待した。
 (金良孝矢)