ぎりぎりの状態で駆け込む人も…困窮相談がコロナ前の7倍 那覇で6800件と高止まり


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 沖縄県那覇市の生活困窮者を支援する市就職・生活支援パーソナルサポートセンターに寄せられた相談件数が、2021年度は6800件となったことが8日までに分かった。新型コロナウイルスが流行し始めた20年度は19年度比約8倍の7988件だった。21年度はやや減少したがコロナ禍以前と比べ約7倍と高止まりとなっている。長引くコロナ禍で生活の立て直しが遅れている人が増えているとみられる。

 同センターによると、相談者の職業は飲食店やタクシー、フリーランス、契約社員などで正規雇用は比較的少ない。新型コロナの影響で休業や失業した場合、社会福祉協議会から緊急小口資金や総合支援資金などの貸し付けを受けられるが、支援金を利用しても生活が立ち行かない人が増えているという。また、制度を知らずにぎりぎりの状況になって駆け込む人もいる。

 同センターでは食料支援は約半年、家賃の支援は最大9カ月行っており、フードバンク団体の協力を受けている。ただ、社会経済活動が再開し始めても、安定した雇用に就けない相談者も増加傾向で支援期間も長期化しつつあるという。

 同センターでは、DVやひきこもりなどの支援も受けるが、コロナによる困窮者の増加でマンパワー不足に陥りつつある。同センターの担当者は、深刻な相談を取りこぼさないためにも「生活困窮などで悩む方は、各市町村の社会福祉事務所にある自立相談支援機関に問い合わせてほしい」と呼び掛けた。
 (嘉陽拓也)