【東京】日本軍第32軍の牛島満司令官らを弔う「黎明之塔」への陸上自衛隊第15旅団長らの「参拝」を巡り、陸上幕僚監部が幹部への報告文書を作成していたことについて、吉田圭秀陸上幕僚長は9日の定例記者会見で「私的な『参拝』であることと特段矛盾はない」と述べた。同時に、沖縄戦を経験した歴史的背景から「住民感情に特段の配慮を」との認識も示した。
旅団長が制服姿で補佐役の最先任上級曹長らと共に「参拝」している点を踏まえても、「私的『参拝』だと認識している」と従来の見解を繰り返した。文書は「参拝」について内部で情報共有を図るために事実関係や関連報道をまとめたものだと説明した。
一方「沖縄では地上戦があったという歴史的背景があることから、住民の皆さんの感情に特段の配慮をしつつ、さまざまな対応をしていく必要がある。6月23日の『慰霊の日』に限らず常日頃から、西部方面総監部と認識を共有している」と強調した。
(明真南斗)