8月25日告示、9月11日投開票の県知事選の投開票まで、11日で3カ月となった。名護市辺野古の新基地建設阻止を掲げる「オール沖縄」勢が支える現職の玉城デニー氏(62)と、政権与党の自民党県連などが擁立する前宜野湾市長の佐喜真淳氏(57)が、4年前に続いて対決する構図が固まってきた。両陣営とも、同じ全県選挙となる参院選とのセット戦術で相乗効果を狙う。
再選出馬の表明時期を探ってきた玉城氏は、11日に会見を開き、知事選への立候補を正式に表明する。2期目に向けた体制づくりを始動させる。
自民党県連は5月28日の選考会で、前回に続き佐喜真氏の知事選擁立を決定した。雪辱を期す佐喜真氏も知事選に向けた動きを加速させる。
玉城氏と佐喜真氏は2018年の前回知事選で事実上の一騎打ちを展開した。玉城氏が過去最多となる39万6541票を獲得し、佐喜真氏を約8万票の大差で制した。
ただ、前回は故翁長雄志前知事の急逝による「弔いムード」がオール沖縄に追い風として作用。その後の4年間で、一部保守層や経済界の離脱に伴うオール沖縄の弱体化もみられる。
今年の「選挙イヤー」序盤戦となった名護、南城、石垣、沖縄の4市長選では、オール沖縄の擁立候補が自民・公明推薦候補に全敗を喫し、県政奪還を目指す自公に勢いが出ている。
一方で、首長選と全県選挙では争点や有権者の関心が異なる。そのため両陣営とも、7月の参院選沖縄選挙区の結果が2カ月後の知事選に直結すると位置付け、セット戦術を本格化する。
オール沖縄陣営は、無党派層にも浸透する玉城氏の知名度を、参院現職の伊波洋一氏(70)の支持拡大につなげていく考え。伊波氏と辺野古新基地建設反対の世論喚起を図り、双方の再選につなげる戦略を描く。
一方の自民側は、佐喜真氏の強みである保守層の支持と連動する形で、参院選で公認する新人の古謝玄太氏(38)が「若さ」をアピール。若年層や無党派層の掘り起こしを図り、参院議席と県政の奪取を狙う。
知事選には10日までに、さいたま市の戦略コンサルタント山口節生氏(72)も出馬表明している。 (大嶺雅俊)