仕事多彩、障がい者生き生き 沖縄市のデイサービスが1周年「全国以上の工賃」目標に


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「全国平均以上の工賃」の方針を掲げ、作業場は利用者の笑顔で明るい雰囲気=3日、沖縄市の「スタジオ ライフワークデイサービス」

 【沖縄】沖縄市中央のパークアベニューにある「スタジオ ライフワークデイサービス」(町田守邦代表)が今月で1周年を迎えた。「ゼロからでもできる! 今からでもできる!」をコンセプトに掲げ、「手や足が動かなくても働ける」「全国平均賃金以上の工賃を」と大きな目標に取り組んでいる。

 今年1月には就労継続支援B型事業所の認定も受け、障がい者の居場所づくりとデジタルIT分野を中心に据えた先進的、多彩な事業内容で注目されている。現在、沖縄市、うるま市、読谷村などから18歳から60代までの8人が利用、送迎も行っている。「給料はいくらもらえるの?」など、自己負担、仕事の具体的な内容を本人や家族にしっかり説明することで安心感を得ている。

 施設の2階にスタジオを構え、プロのカメラマンでもある町田代表(48)は「個々の障がいの特性やスキルを見極め、何よりも本人の希望や意見を取り入れながら運営している」と強調する。

 メインの生産活動は最先端のデジタル分野。撮影や撮影助手、デザイン・イラストの編集・PC作業、アルバム、YouTubeチャンネルやラジオ、テレビの番組製作など。撮影用の菓子類や小物制作、販売も行っている。「感性が鋭い」と町田代表はこの1年間のメンバーの成長に驚いている。

 利用者の瑞慶山良さん(29)は、同じパークアベニューにあるFMコザの毎週木曜日の番組にも出演する。障がい者の社会参加をアピールするなど明るく積極的な性格だ。「仲間との作業は楽しい。給料がもらえるのがとてもうれしい」と笑顔を浮かべる。町田代表は「運営は楽ではないが利用者の笑顔にエネルギーをもらっている。生産活動と自立、人間力を高めたい。チャレンジしてみませんか」と呼び掛けている。

(岸本健通信員)