暮らしの変化、物で知る 「屋良朝苗日記」も 読谷村で復帰展


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企画展「よみたんの今昔」への来場を呼び掛ける学芸員の松田香怜さん=2日、読谷村の世界遺産座喜味城跡ユンタンザミュージアム

 【読谷】読谷村の世界遺産座喜味城跡ユンタンザミュージアムは沖縄の日本復帰50年の節目に、読谷の生活や歴史の変化を振り返る企画展・よみたんの今昔を開催している。「世の中の移り変わり」と「屋良朝苗と日本復帰」の2テーマを掲げ、今では使われなくなった日用品や事務用品、屋良氏の日記などを展示している。7月18日まで。

 会場に入ると、壁一面に張られた年表が戦後から復帰、現在までの読谷の歴史を伝える。世界と日本の動向も同時に記載されており、比較しながら見ることができる。パーソナルコンピューターの普及で姿を消した和文タイプライターやワードプロセッサーなど、家庭や学校などで実際に使用された物も展示。レコードプレーヤーやリストから好みの曲を流せるジュークボックスも並び、当時を知る人には懐かしさを感じさせる。

 読谷村出身で日本復帰までの間、唯一の公選行政主席を務めた屋良氏がつづった日記には、コザ騒動や沖縄返還協定についての記述があり、復帰までに起きた出来事を屋良氏の視点から見ることができる。

 同ミュージアム学芸員の松田香怜さんは「読谷村の変わりゆく風景を収めた写真なども展示している。親子や3世代で鑑賞することで、思い出話などをして楽しむことができると思う。読谷の過去と今を見ることで、今後の姿も思い描いてほしい」と呼び掛けた。

(名嘉一心)