上江洌が5度目の頂点 女子は宮城が初優勝 沖縄県剣道選手権


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 剣道の第59回男子・第21回女子選手権は11日、県立武道館第2錬成道場で行われ、男子決勝は上江洌貴大(県警)が中島太朗(同)に勝利し、3年ぶり5度目の頂点に立った。女子は宮城瑠佳(国際武道大)が島尻奈美(会社員)に延長の末に一本勝ちし、初優勝を飾った。優勝者は全日本選手権(男子は11月・東京、女子が9月・奈良)への出場権を得た。


試合巧者、熟練の技 上江洌 先手取り勝ち切る
 

男子決勝 コテを狙って攻め込む上江洌貴大(右)=11日、那覇市の県立武道館(小川昌宏撮影)

 35歳の上江洌貴大(県警)が試合巧者ぶりを発揮して勝ち上がり、3年ぶりの優勝をつかみ取った。準優勝だった昨年の雪辱を果たし「まだまだ若手の壁として勝負できて良かった」と大きく息を吐いた。

 熟練の技で20代の後輩たちを次々と倒した。決勝の相手は11歳下の中島太朗(県警)。30代となり「スピードも体力的にもきつい」と語るが、経験値で補った。技を散らして揺さぶるとじわりと角に追い込む。面の動きから軌道を変えて小手を奪った。巧みな仕掛けで先手を取り勝ちきった。

 昨年は「受け身になった」という反省から「挑戦者の気持ち」を意識して稽古に励んできた。次は5度目となる日本選手権。なかなか勝ち上がれなかった苦い経験を振り払うように「もう引退までカウントダウンに来ている。今度こそ結果を残したい」と意欲を燃やした。

(謝花史哲)


思い切った攻め奏功 宮城「自分の剣道出す」
 

女子決勝 相手と打ち合う宮城瑠佳(右)=11日、那覇市の県立武道館(小川昌宏撮影)

 初出場の宮城瑠佳(国際武道大3年)が延長の末に女子決勝を制して初優勝を果たした。「打たれてもいいから思いっきりいこうと攻めたことが良かった。とてもうれしい」と手放しで喜んだ。

 「勝負は延長に入ってから」と見て、強い攻めを耐え忍んだ。延長に入ると前に出始める。開始2分過ぎ、力強い踏み込みから振り下ろして面を捉えた。

 幼少期から競技を続けて、高校でも全国を経験してきた。大学に入ると監督の助言もあり、思い切ってプレースタイルを変えた。構えや力の入れ方など「全てが違う感覚」で習得に苦労したが、諦めず竹刀を振り続けようやく「力が出せるようになった」という。

 3週前にあった年代別の県内大会に続く頂点で、手応えは十分。日本選手権に向けて「しっかり自分の剣道が出せるようにしたい」と意気込む。初めての舞台をまずは楽しむつもりだ。

(謝花史哲)