宮古島、八重干瀬含む沿岸海域が国定公園候補に


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宮古島市の八重干瀬(県文化財課提供)

 環境省は14日、生態系や特徴的な地形を保全するため、国定公園の新規指定候補として八重干瀬を含む宮古島沿岸海域と御嶽山(長野、岐阜)を選んだ。公園の範囲拡張などの候補として、八幡平周辺(岩手、秋田)など4カ所も選定した。

 生物多様性を守るため、2030年までに陸域と海域のそれぞれ30%以上を保護地域にする政府目標達成に向けた取り組みの一環。国定公園は国が指定し、都道府県が管理する。県内には沖縄海岸国定公園、沖縄戦跡国定公園がある。

 宮古島沿岸海域の選定理由として、国内最大規模のサンゴ礁群・八重干瀬やパナリ干瀬などの分布や、ラムサール条約湿地に登録されている与那覇湾口付近の広大な海草藻場などを挙げた。

 宮古島市教育委員会生涯学習振興課の梶原健次課長は、候補地選定を歓迎し「市として環境保全体制の構築に主体的に関わっていきたい」と意気込む。今後は八重干瀬と周辺の陸海域調査などを進めていく。

 県環境部自然保護課は指定区域を絞り込むために自然保全の状況などを調査していくほか、開発意向を含めて地元との合意形成に向け調整していく。環境省は、30年までに可能な限り実現できるよう、地元自治体や土地所有者らと調整する。 (安里周悟、佐野真慈)