日本紅斑熱の予防方法は? ダニにかまれない対策を 八重山で初の感染確認


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 沖縄県は14日、八重山保健所管内の40代の男性が今年5月に病原体を持つマダニにかまれることにより感染する「日本紅斑熱(こうはんねつ)」に感染したと発表した。八重山地域では初めての感染となる。県全体では6例目。県は「ワクチンはなく、媒介ダニにかまれないための予防が重要」として、山野に入る際は、防虫スプレーの使用や、肌の露出を控えるよう注意を促している。

 今月13日に八重山地域で初めて感染が報告された日本紅斑熱はダニ媒介性疾患の一つで、人から人への感染はない。今回感染した男性は5月20日に発熱があり、24日に医療機関に入院。発熱以外に発疹や肝機能障害の症状があった。経過は良好だという。男性に直近の渡航歴はなかった。

 国立感染症研究所によると、日本紅斑熱はマダニが媒介し、人が野山に入った時にかまれて感染するという。潜伏期間は2~10日で、症状として頭痛や高熱、発疹や倦怠(けんたい)感がある。発疹は手足末端部に出現することが多いという。

 県は予防方法として(1)肌の露出を少なくする(2)ダニの付着を防ぐ防虫スプレーの使用(3)山林から帰宅後はすぐに入浴し、衣類を洗濯することなどを呼び掛けている。

 また、山林や野原に入って1~2週間後に発疹や発熱症状が現れた場合や、吸血中のダニを見つけた際には無理に取ろうとせず、すぐに医療機関を受診するよう注意を促している。

 県によると、日本紅斑熱の患者発生件数は全国で増加傾向にあり、昨年は最多の487例が報告された。県内では2010年に初めて感染を確認した。
 (赤嶺玲子)