参院選沖縄選挙区、立候補予定の伊波氏、古謝氏の政策比較 公示まで1週間


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
【左から】マイクを片手に訴える伊波洋一氏=9日、宜野湾市。政策を説明する古謝玄太氏=4日、那覇市

 7月10日投開票が見込まれる参院選は公示まで1週間となった。改選議席1の沖縄選挙区には5人が出馬を予定する。選挙戦は米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設阻止を掲げる「オール沖縄」勢が支援する現職の伊波洋一氏(70)=無所属=と、政権与党が擁立する元総務官僚で新人の古謝玄太氏(38)=自民公認、公明推薦=の主要2氏による事実上の一騎打ちとなる見通しだ。両立候補予定者の基本政策をまとめた。 (’22参院選取材班)

<伊波洋一氏>新基地建設阻止訴え

 「沖縄(ウチナー)の声を国会へ!」をキャッチフレーズに2期目を目指す伊波洋一氏(70)は、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設阻止を訴える。台湾有事への危機感が高まる中、「二度と沖縄を戦場にしない」ことに加え、県民の関心が高いコロナ禍からの県経済再生も重要政策に位置付けた。

 新基地建設については県民投票や国政選挙で反対の民意が示されたにも関わらず、建設を強行する政府に対し「沖縄の民意を踏みにじり過重な負担を押しつける基地強化は受け入れられない」と強い姿勢を示す。日米地位協定の抜本的改定や北谷浄水場の有機フッ素化合物(PFAS)汚染水の解消にも取り組む。

 経済再生に向けては事業者への支援金や給付金の支給延長、消費税を時限的に5%へ引き下げるよう求める。新型コロナウイルス感染対策に取り組みながら、観光客数1千万人の回復を目指す。都市部と北部・離島の均衡ある振興や、子どもの貧困解消に向けて親の就労や生活保障を含めた包括的支援にも取り組む。

 

 

<古謝玄太氏>経済、人材育成を促進

 「38歳、未来をつくる即戦力」をキャッチフレーズに選挙戦に挑む新人の古謝玄太氏は「しなやかで強い経済を持つ沖縄」「誰もがチャレンジできる沖縄」「みんなが笑顔でいられる沖縄」の三つの「未来をつくる」ことを前面に押し出す。各公約実現に向け、九つの重点政策を掲げる。

 経済振興では、沖縄独自の文化を生かし、既存の観光に加え、新たに健康、環境、海洋、起業からなる「新5K経済」を提唱し、促進する。

 人材育成では社会人でも最新のIT技術などを学び直しできる「リカレント教育」を推進するほか、県内大への薬学部の新設も掲げた。

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への新基地建設問題については「普天間飛行場の危険性の除去が最優先課題だ。現実的な方策として辺野古移設を容認したい」として、明確に容認する姿勢を示した。

 当選したらまず始めに多世代で今後の沖縄を考えるワークショップを開催する意向を示した。掲げた未来像の実現に向けたロードマップの策定に取り組むとした。