【識者談話】被害者に寄り添う支援へ、沖縄県は実効性ある制度整備を 村上尚子弁護士


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村上 尚子氏

 沖縄被害者支援ゆいセンターはベテラン相談員など人材も充実し、熱心に支援活動を行っている。資金面では、コロナ禍で企業回りなどが満足に行えず、支援企業などからの寄付金が減ったと聞いている。県が主体性を持って委託事業を充実させ、公的な資金をもっと支出する方向にしていかなければならない。

 県の犯罪被害者支援への取り組みは他県に比べ遅れている。犯罪被害者条例を制定し、審議会を設置して具体策を検討するとしているが、県が主体的に推し進めて成果を上げていかなければ、具体的支援には結びつかない。

 犯罪被害に遭い、苦しい思いをしている人たちのためにも、被害者に寄り添った施策の決定と、継続した予算の確保に取り組む必要がある。県はゆいセンターなどの支援団体に対し活動を後押しする実効性のある支援制度を整えることが求められている。