県漁連、11期ぶり剰余金赤字 水揚げ量減やコロナが影響


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 県漁業協同組合連合会(県漁連、上原亀一会長)は17日、通常総会を開き、2022年3月期決算を承認した。市場の水揚げ量減少や燃油価格の高騰、新型コロナウイルス感染症の影響による乾燥モズクの販売低迷などが重なり、売上高に当たる総取扱高は前期比11.5%減の34億2441万円、経常損益は前期の351万円の黒字から8103万円の赤字に転じた。純利益に当たる当期剰余金も8156万円の赤字を計上した。当期剰余金の赤字は11期ぶり。

 22年3月期の事業総利益は前期比43.5%減の9981万円、本業のもうけを示す事業損益は1億1905万円の赤字で、2期連続の事業赤字となった。

 市場事業では、高値で取引されるメバチマグロやキハダマグロをはじめ海産物の取扱数量が大幅に減ったほか、販売事業では新型コロナの影響で、学校給食や土産品として需要が高い乾燥モズクの売り上げが低迷したことなどが響いた。

 本年度の事業計画は、10月に糸満漁港に開設される新市場への移転が控えていることから、安定した水揚げ量が確保できるよう関係機関との連携を強化し、事業利益の確保に努めることを確認した。
 (当銘千絵)