米軍ヘリ4機が相次ぎ不時着 沖縄と与論島 「煙出た」「燃料不足」


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辺戸岬周辺の牧草地に不時着した米海兵隊のCH53E大型輸送ヘリ=18日午後3時40分ごろ、国頭村宜名真(村提供)

 【国頭】18日午後2時45分ごろ、沖縄県国頭村宜名真の牧草地に米海兵隊のCH53E大型輸送ヘリ1機が不時着した。在沖米海兵隊によると機体は第1海兵航空団所属機で、同伴していた同型3機も18日午後2時35分ごろ、鹿児島県・与論島の与論空港に緊急着陸した。在沖海兵隊は本紙の取材に対し、着陸の原因として国頭村宜名真の1機については「操縦席内でわずかな煙が検知されたため」、与論空港の3機については「燃料が飛行継続レベルを下回ったため」だと説明した。それぞれ人的・物的被害はなかった。

 国頭村の現場は辺戸岬付近の農地などが広がる場所で、近くを国道58号が通る。最も近い辺戸集落からは約1・3キロ、宜名真集落からは約2・2キロ。村によると機体は午後4時15分ごろには離陸。在沖米海兵隊は、同機は普天間飛行場に戻ったと説明した。また煙の発生については「ワイパーモーターから発生したと判断した」という。

 知花靖村長は「状況を確認中だ。人的被害がなくてほっとしている」と話した。宜名真の地域住民からは「区周辺での米軍ヘリの緊急着陸は聞いたことがない」と驚きの声が上がった。

 宜名真区の浦崎光男区長によると、着陸地点周辺は以前、さとうきび畑だったという。「天候が悪く仕方なく降りたのかもしれないが、場合によっては人や農作物の被害も出ていたかもしれない」と懸念した。

 一方、与論空港では民間機の出発便1機に20分の遅れが出た。在沖米海兵隊や鹿児島県によると緊急着陸した3機については、18日午後7時現在で駐機したままになっている。在沖米海兵隊は「給油を受ける段階で、空港をできるだけ早く出発する」としている。鹿児島県は本紙取材に、搭乗員数などについて「米軍に関わることのため、明らかにできない」とした。 (長嶺晃太朗、塚崎昇平、岩切美穂)

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