那覇西が延長制す 普天間に8-3 夏季高校野球沖縄大会


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 第104回全国高校野球選手権沖縄大会が18日開幕し、1回戦6試合が行われた。KBC未来は那覇商に8―0の七回コールドで勝利。南風原は沖縄高専を14―0の六回コールドで退けた。与勝は7―5で浦添に勝った。北中城は9―2の八回コールドで北部農林に勝利。那覇西は普天間を十一回延長の末に8―3で下した。那覇は13―2の七回コールドで名護商工に勝った。名護市のタピックスタジアム名護で予定していた糸満―北山戦は雨天のため20日に順延となった。大会第2日の19日は1回戦8試合が行われる。

先発垣花 死力の三塁打

那覇西―普天間 延長11回2死満塁 右中間へ3点適時三塁打を放つ那覇西の垣花慶太=18日、沖縄セルラースタジアム那覇(大城直也撮影)

 延長十一回。2点を奪いなおも2死満塁、那覇西の打席にはこの試合先発マウンドに上った垣花慶太主将が入った。「絶対に(走者を)返してやる」。外寄りの真ん中直球を振り抜くと打球は右中間を破った。疲れ切った体にむちを打ち三塁まで駆け抜けた。

 3点を追加し食い下がる相手を突き放した。両手をベンチ方向に突き上げて喜びを表したが、「気力だけで走った」という体は限界。直後に両足と肩がつって倒れ込んだ。担架でベンチに運ばれ、病院行きを勧められながらも「最後まで見たい」と申し出てチームの勝利を見届けた。

 マウンドでは四死球や暴投でピンチを招く場面がありながらも「粘り強く負けない気持ちで」各コースを攻め、4回まで三振や飛球に仕留めてしのいだ。しかし、五回につかまり2点を失った。一方で打っては4安打を放ち打線をけん引。春季大会で初戦敗退した悔しさをバネに、打撃に力を入れてきた成果を見せた。

 部員は14人と少ないが、サッカー部150人の声援も背に逆転勝利をもぎ取った。勝利の校歌はナインと歌うことはできず、垣花は「次戦はフル出場して、一緒に校歌を歌いたい」と目標を掲げた。
(金良孝矢)

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 ●普天間 9回で176球を投げ12奪三振だったエース金城大一河 走者を背負った要所で、ギアを上げて抑えることはできた。でも同点の3点目を取られた八回は、弱気になって投げたチェンジアップを打たれた。あの場面で勝負できなかったことが悔しい。