具志川商がコールド発進 コロナに泣いた春の悔しさを力に 夏季高校野球沖縄大会


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 第104回全国高校野球選手権沖縄大会の第2日は19日、1回戦8試合を行った。宜野湾が春季大会3位でシード校の前原に2―1で競り勝った。コザは豊見城南を12―2の六回コールドで退けた。中部商は9―2の七回コールドで嘉手納に勝利。具志川は昭薬付を12―1の五回コールドで下した。具志川商は9―1の七回コールドで八重山に勝った。ウェルネス沖縄は11―0の五回コールドで球陽を破った。宜野座は南部工に7―3で勝利した。興南は沖縄工を11―0の五回コールドで破った。

八重山―具志川商 七回無死一、三塁、右越え3点本塁打を放ち、飛び上がって喜ぶ具志川商の伊波琉=19日、アトムホームスタジアム宜野湾(小川昌宏撮影)

 春の悔しさを力に変えた具志川商が白星発進した。七回無死一、三塁、5番の伊波琉が高めに浮いた直球を右スタンドへ突き刺しコールド勝ちを決めた。塁上にいた田場盛士主将と今井真郁と一緒に、3年生3人が本塁を踏み、拳を突き上げ喜びを爆発させた。

 昨年のチームは選抜大会に出場し、春の九州大会で頂点に立った。新チームで挑んだ今春の県大会は、新型コロナウイルスの陽性者が出たため辞退した。

 伊波や田場は甲子園でベンチ入りした経験があり、辞退の悔しさをバネに「夏への思いを強くしてきた」(田場)。3年生は少ないものの、1、2年生を交え一人一人ができることに取り組んだ。伊波は「雨やコロナで実戦ができなくてもバットを振ってきた」と言い、10安打9得点と成果を発揮した。

 先発メンバーで3年生は3人のみ。喜舎場正太監督は「春に悔しい思いをしたが、3年生が引っ張ってくれた結果」とたたえた。後輩から「最後は3年生で決めてほしい」と言われた伊波は期待に応え「ほっとした」と安堵(あんど)の表情。次戦に向け今井は「3年生が引っ張って勝ちきりたい」と必勝を誓った。

 (金良孝矢)

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 ●八重山 悔しさをにじませる黒島舜主将 ヒット数が少なくてチャンスをものにできなかった。3年最後の大会は悔いが残らないように全力を出してやった。常に声を出して自分たちの雰囲気はあった。後輩は秋に向けて準備して頑張ってほしい。