沖縄戦跡国定公園内にある糸満市米須の鉱山での土砂採掘計画を巡り、総務省の公害等調整委員会(公調委)の裁定委員会が県と事業者に合意骨子案を提示していたことが21日までに分かった。
骨子案は、土砂採掘時に沖縄戦戦没者の遺骨が発見された場合は工事を2週間中止して収集することなどを事業者に対して求めているが、土砂採掘自体は認めている。公調委は23日までに、県と事業者に回答を求めていて、県は骨子案を受け入れる方向で進めている。
公調委の提示は14日。工事一時中止と収骨のほか、土砂の一定保管、植栽による原状回復など6項目を挙げている。
関係者によると、仮に合意した場合、事業者が骨子案を反映させた届け出を改めて提出し、県が受理する形となる。土砂採掘工事自体は最短でも2カ月後になるという。
21日の県議会定例会代表質問で、金城賢環境部長は土砂採掘を巡り「(骨子案が)県の措置命令の内容が反映されているか精査した上で適切に対応したい」とした。上里善清氏(てぃーだ平和ネット)への答弁。
県は2021年5月、自然公園法を根拠に、採掘を計画する事業者に対し、遺骨の有無を関係機関と連携して確認し、遺骨収集に支障が生じない措置を取ることなどを求める措置命令を出していた。
(塚崎昇平、安里周悟)