第26回参院選が22日に公示され、7月10日の投開票に向けた18日間の選挙戦の火ぶたが切られた。沖縄選挙区は事実上の一騎打ちで、議席を争う現職の伊波洋一さん(70)と、新人の古謝玄太さん(38)の両氏は県内各地を駆け巡り、厳しい日差しの中で支持を訴えた。日本復帰50年を迎えた今も多くの課題を抱える沖縄。積み残された問題の解決や沖縄の未来づくりに向けて参院議員は重要な役割を持つ。どの候補者を選び、国政の場に送り出すのか。有権者の判断が注目される。(’22参院選取材班)
伊波洋一さん「本当の復帰勝ち取る」
米施政権下の沖縄と日本を隔てた北緯27度線を望む国頭村辺戸岬を選挙戦のスタート地に選んだ伊波洋一さん。「基地のない平和な沖縄を今こそ実現する再スタートにしよう。本当の復帰を勝ち取ろう」。祖国復帰闘争碑の前で声を響かせた。
昼過ぎには米軍普天間飛行場の移設に伴い、新基地建設が進む名護市辺野古のキャンプシュワブゲート前を訪れた。辺野古移設の是非を問う県民投票で示された「反対」の民意を政府はくんでいないとして「県民差別だ」と批判。市民はうなずきながら聞き入った。
三線と唐船ドーイとカチャーシーで見送られ、次の遊説場所へ向かうため南下した。
夕方には那覇市の県民広場で出発式が開かれた。黄色の鉢巻きを締めた支持者が集まる中、「どのような未来を切り開くのか、私たちが決めなくてはならない」と訴えた。この日は計9カ所で演説をこなした。
古謝玄太さん「沖縄の未来のために」
快晴の下、本島全域を駆け巡った古謝玄太さん。上下白のポロシャツとチノパンに、緑色の鉢巻きを締めて「沖縄の未来のために働かせてほしい」などと支持を訴えた。支持者とはグータッチでふれあい、「玄太、玄太、頑張れー」などとエールを受けた。
南城市での演説会では、官僚としての経歴を踏まえ「私は各省庁に仲間がいる。制度や予算、法律を沖縄の未来のためにつくっていく力がある」と強調。語りながら一歩ずつ足が前に動き出すほど力が入った。
宜野湾市の長田交差点では、政策で掲げた米軍普天間飛行場の「名護市辺野古移設の容認」について触れた。「普天間飛行場の危険性除去を一刻も早く成し遂げないといけない。基地の整理縮小を進めて跡地を活用する」と訴えた。
那覇市で午前8時半から始まった出陣式から名護市まで計9カ所で演説をこなした。