【東】沖縄戦で鉄血勤皇隊に動員され命を落とした県立農林学校の学徒の死を悼み、県立北部農林高校と北農同窓会は22日、東村宮城の「県立農林学校隊最期の碑」で慰霊祭を開いた。遺族や村、北農高、同窓会の関係者約20人が参列した。
慰霊祭は2年ぶり。新型コロナウイルス対策で人数を減らし開催した。
学徒の同級生で碑建立に尽力した瀬名波榮喜さん(93)=那覇市=は、「(犠牲になった級友らが)最後に訴えようとしたのは、戦争のない平和な生活ではなかったか」としのんだ。北農高定時制生徒副会長の渡具知きいらさん(19)は「多様性にあふれるやんばるの森から、違いがあるからこそ互いが生かされることを発信していきたい」と平和の誓いを宣言した。
「肉迫攻撃隊」として動員された農林学校の学徒らは、東村宮城の内福地(うちふくじ)で米軍と交戦し、隊長を含む11人が亡くなった。その地は現在、福地ダムの底となり、2014年に対岸に碑が建立された。
(岩切美穂)