【北谷】糸満市の平和の礎に刻まれた沖縄戦などで犠牲となった24万人余りの名前を読み上げる集いが19日、北谷町であった。渡久地政志町長や沖縄戦体験者、刻銘者の親族ら約20人が参加し、平和と安寧を願いながら約3900人分を呼名した。
前町長の野国昌春さん(77)は沖縄戦中に南部で亡くなった姉の春子さん(当時14歳)の卒業証書を持って参加。北谷町出身の刻銘者と姉の名前も読み上げた。春子さんが通っていた北谷国民学校高等科の卒業証書は、終戦から約30年後に授与されたもの。野国さんは「会ったこともないが、写真を見ると少し(自分と)似ていた」と語り、「平和の世で呼んでいるということが届けば」と思いを込めた。
この日の呼名を呼び掛けた町議の玉那覇淑子さんは「刻銘者の生きていた証しを伝えることができればとの思いだった。住民を巻き込んだ悲惨な戦争が二度と起きてはいけない」と話した。
集いは12日に読谷村から始まり約1500人が参加。慰霊の日の23日まで続いた。
(新垣若菜)