与勝が接戦を勝ち切る エース・又吉、意地の初完投 夏季高校野球沖縄大会


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与勝―北中城 制球に苦しみながらも完投した与勝のエース・又吉優颯=26日、沖縄市のコザしんきんスタジアム(大城直也撮影)

 第104回全国高校野球選手権沖縄大会の第6日は26日、沖縄市のコザしんきんスタジアムなどで2回戦が始まり7試合を行った。KBC未来が、春季大会優勝の第1シード沖縄水産を4―2で破った。

 糸満は10―0の六回コールドで南風原に勝利。与勝は3―2で北中城に競り勝った。

 那覇は那覇西に4―3で逃げ切り、宜野湾はコザを5―3で退けた。中部商は13―3の五回コールドで具志川を下した。ウェルネス沖縄は12―0の五回コールドで具志川商に勝った。

 第7日は7月2日に2回戦の残り8試合を行い、16強が出そろう。

 与勝3年の又吉優颯(せな)がエースの意地を見せた。9回を136球で投げきり、公式戦初完投。「きつかったが、最後はやる気と声援に押されて投げた」と振り返った。

 初戦は制球が安定せずに打ち込まれ、2回⅓で降板した。その後は後輩が流れを変える力投を見せチームは勝利。「1回戦はエースらしくない投球だった。後輩が頑張ってうれしかった反面、悔しさもあった」という。

 1週間を経て迎えた2回戦。制球が乱れて四死球を与える場面もあったが、「守ってくれる後ろの仲間を信じて投げた」。打者の内角を攻め、打たせて取ることを心掛けると、リズムにも乗って七回までスコアボードにゼロを重ねた。八、九回に四球や安打を許しそれぞれ1点ずつを奪われたものの、最終打者は左飛に仕留めた。

 仲宗根寛史監督は「期待に応えて頑張ってくれた。成長してくれた」と目を細めた。

 又吉は「苦しかったけど楽しかった」と手応えを感じた様子。次戦に向けて「勝てばベスト8。上にいけるよう頑張りたい」と自らを奮い立たせた。
 (金良孝矢)

 ●北中城 粘りが実らず目を赤くする具志堅陽斗主将 チャンスは何回もあったが、あと1本が出ず走者をかえしきれなかった。エース上村槙之介が一人でよく投げてくれた。悔しかった。後輩は悔しさを糧にベスト8以上にいけるよう頑張ってほしい。