沖縄県文化観光スポーツ部は29日、5月の入域観光客数は前年同月比2倍(20万1600人増)の39万6千人だったと発表した。新型コロナウイルス流行前の2019年5月と比較すると52・5%(43万8100人)減で、回復傾向にあるものの依然厳しい状況となった。外国人客は2年2カ月連続でゼロだった。
前年同月は一部地域でまん延防止等重点措置が取られた。今年は行動制限がなかったことや、航空便の減便規模の縮小、ワクチン接種の普及などから前年同月を上回った。県によると、観光需要は緩やかな回復傾向を見せており、航空大手2社(JAL、ANA)の国内線予約状況は21日時点で7月、8月ともに前年同月と比べて約2倍に伸びているという。
那覇空港の国際線受け入れについて、厚生労働省より6月中に空港検疫体制の整備が完了する見通しだと報告を受けているが具体的な就航計画などは現時点で決まっていないという。県観光政策課の金城康司課長は「海外へ行けない分沖縄を旅行先に選ぶ人も増えている。夏に向け、感染対策を実施しながら旺盛な旅行需要を取り込めるようにしたい」と期待を寄せた。
同日、沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)は、6月から8月の入域観光客数の見通しを発表した。ハイシーズンの8月は、19年比で約14%減の64万人と予測した。本格的な夏の旅行シーズンに向けて、徐々に上向いて行くと予想している。6月は19年比で約29%減の40・9万人と予測。5月25日時点での予測値より10万人増加している。7月は政府の全国旅行支援やおきなわ彩発見NEXT(仮)などの観光需要喚起策の効果で需要が回復すると見込み、19年比約17%減の55万人と予測した。
6月8日時点の4~6月の修学旅行の実績についても発表した。4月は71校で1万2419人、5月は100校で1万4101人、6月は97校で1万5368校だった。沖縄への修学旅行のキャンセルが続いていたが、10~12月の秋シーズンのキャンセルは鈍化しつつあるという。
(当銘千絵、與那覇智早)