W杯3位の又吉「周囲の支えが力に」 背負った「相棒」の思い タンブリング日本代表


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 ポルトガルのコインブラで26日に行われたトランポリンのワールドカップ(W杯)で銅メダルを獲得した、タンブリング日本代表の又吉健斗(具志川東中―静岡・磐田東高―静岡産業大、同大クラブ)。同種目女子代表の渡辺琴美(静岡産業大クラブ)も3位に入り、タンブリングの日本人メダル獲得は初めてとなった。又吉は「周囲の支えが大きな力になった」と感謝し、7月に米国で開催される世界大会「ワールドゲームス2022」に向けた意欲を語った。

ワールドカップで銅メダルの3位に輝いた又吉健斗(提供)

 又吉健斗は、タンブリング種目銅メダル獲得を特別な思いで受け止めていた。「両親や仲間に励まされ、大きな支えとなった」。感謝の言葉があふれた。

 予選前のアップで「いつもと違ってふわふわした感覚だった」と気持ちが落ち着かなかった。背中を押したのは母・ゆきのさんの言葉。事前にスマホのラインで不安な気持ちを伝えると電話がかかってきて「どう転んでもいいから、健斗らしく楽しみなさい」と励まされた。いつも精神的な支えとなってくれる母の言葉で迷いはなくなり、予選を順調に通過。決勝当日には父・健一さんからも励まされ、大きな力となった。

 決勝は、同じ日本代表として切磋琢磨(せっさたくま)し、相棒とも言える草ケ谷剛の思いも背負い臨んだ。草ケ谷は決勝8人に残ったがアクシデントで決勝を辞退。又吉は草ケ谷のユニホームを着て演技し銅メダルをつかんだ。試合後に電話で結果を伝えると「互いに号泣してしまった」と感情があふれ出した。

 7月には、世界10カ国から各国の代表10人が集い、頂点を競う、4年に一度の世界大会「ワールドゲームス2022」がアメリカで開催される。又吉は「もっと演技の精度を上げてファイナル進出を目指す」と闘志を燃やしている。

(大城三太)