OCVB事務局長解任へ 平良会長と方針で溝


社会
この記事を書いた人 志良堂 仁

 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)の平良朝敬会長(61)が、事務局長の屋良朝治氏(56)を解任する方向で調整していることが、14日までに分かった。22日に臨時理事会を招集して事務局長の交代人事を諮る。当面は譜久山健常務理事(50)が事務局長を兼務する見通しだが、年度途中で事務方トップを異動させる人事は異例。平良会長をはじめ6月に発足した新役員と屋良氏ら事務方との間で組織運営をめぐる衝突があり、事実上の更迭とみられる。

 屋良氏は13日から自宅待機を命じられている。
 平良会長は琉球新報の取材に「三役が考える事業の方向性に対して本人(屋良氏)が前向きにならないと感じたので、交代する」と説明した。後任については「人事異動は基本4月なので、今回のような緊急の異動では常務が(事務局長を)兼ねることになる」と述べた。
 一方、屋良事務局長は「仕事の進め方について(三役と)意見の食い違いがあった。繁忙期に休むことになって職員に申し訳ない」と述べた。
 関係者によると、以前から平良会長と屋良事務局長との間で職員の起用や業務の運営をめぐって意見の隔たりがあり、新体制になってから定例の役員会議に事務局長は出席できないようになっていたという。
 直近では、現在の県産業支援センター2階にある事務所が業務拡大とともに人員過密で手狭となる中、屋良氏が上階の別室を新たに使用できるようとりまとめたのに対し、平良会長は別室の使用手続きを取り消し、那覇市内の別の商業ビル内に第2事務所を構えることを指示。この方針をめぐり屋良氏が譜久山常務に激しく抗議する場面が見られたという。
 屋良氏は1980年にOCVBの前身となる県観光連盟に入社し、沖縄コンベンションセンター館長や総務部長などを経て、2013年4月から現職。
 一方、かりゆしグループの最高経営責任者(CEO)だった平良氏は、6月のOCVB理事会で会長に選出され、民間経営の視点から組織改革を進める姿勢を打ち出していた。(呉俐君)