【沖縄】誰もが気持ちよく投票できる環境をつくろうと、沖縄市選挙管理委員会は、昨年の衆院選から性別違和のある人に配慮した投票方法を導入している。投票用紙交付機の男女ボタンを周囲に見えないようにし、入場券はがきを回収するかごに性別を記載しないといった取り組みだ。今回の参院選の期日前投票所でも継続して実施している。
選管は業務上、投票者を男女別で集計しなければならない。投票所を訪れた人に投票用紙を発券するには、職員が投票用紙交付機の男女ボタンを押す必要がある。
性の多様性について理解を広げる活動をしているレインボーハートokinawaの竹内清文理事長によると、性別違和のある人にとって目の前で見た目で性別を判断されることは苦痛につながっている。
沖縄市選管の取り組みは、性的少数者に限らず全ての人が気持ちよく投票できるようにと、職員が考案し、昨年の衆院選から導入した。投票用紙交付機の男女ボタンを厚紙で囲い、職員以外には見えないようにした。
職員が入場券を回収するかごには従来は「男性」「女性」と記していたが、職員だけが分かるように記号を貼り、性別で仕分けている。他の自治体の選管に寄せられた性的少数者からの要望も参考にしたという。
竹内理事長は「先進的な大切な取り組みだ。少しの工夫で、費用もかからずできることなので、広がってほしい」と評価する。県が「性の多様性尊重宣言」をしていることにも触れ、「県は責任を持ち、全治自体に投票所での課題や先進的な取り組みを周知するべきだ」と話した。
市選管事務局の宮城行広事務局長は「有権者に気持ちよく投票していただくのが一番だ。少しずつだが配慮して、気持ちのいい投票所にしたい」と話した。
(石井恵理菜)