那覇市民ギャラリーで5日から開催が予定されていた、写真誌「DAYS JAPAN」の元発行人でフォトジャーナリストの広河隆一さん(78)による写真展の中止が決まった。那覇市民ギャラリーが1日、明らかにした。
那覇市民ギャラリーは本紙の取材に「主催者である広河氏と市民ギャラリーで協議した結果、隣接する他の展示室や施設に著しい混乱を来すことが予想されるため」だと理由を示した。
広河氏は「この件については電話でのお答えはしない」と述べた。
広河氏を巡っては、2018年に性暴力やセクハラを受けたと複数の女性が証言し、問題となった。写真展を巡っては、これらの問題が解決していない中で活動を再開することに女性団体などから批判が上がっていた。
宮城公子沖縄大教授(比較文化・ジェンダー学)は「過去にあった自分の重大な人権蹂躙(じゅうりん)行為を精算せず、新しいことに着手できるという考えに問題があった。著名な人であり、写真誌で掲載してきた写真も質が高いが、それが隠れみのにはならない。性暴力に対する社会変化を理解することも、表現者の資質の問題だ」と話した。