米軍 事故後も訓練 伊江パラ落下 村民ら防衛局に抗議


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   米軍提供施設・区域外の畑に落下したパラシュート

 【伊江】沖縄県伊江村西崎区の米軍提供施設・区域外の畑に無人のパラシュートが6月30日に落下した件で、米軍が事故発生後も訓練を続けていたことが7月2日までに分かった。住民によると輸送機とみられる機体が午後10時半ごろまで低空飛行を繰り返した。

 米軍伊江島補助飛行場から約2キロの自宅から夜間訓練を目撃した島袋繁雄西崎区長らによると、夕方から午後10時半ごろに掛けて、「輸送機のように見える」1機が補助飛行場周辺を低空飛行していた。機種は不明。

 6月30日のパラシュート落下直後、駆け付けた村議らに米兵が「パラシュートに重りを装着し忘れた」と話したという。重りを装着せず、パラシュートが風に流されたことを説明したみられる。

 7月1日には沖縄防衛局職員が現場確認後、西崎区公民館で村議や区民と面談した。村議が原因究明や再発防止を口頭で要請。島袋区長も「事故現場の50メートル以内に民家が約10軒あり、約100メートルの運動場では子どもが野球をしていて危険だ。事故が発生したのに訓練を中止しなかった対応もおかしい」と抗議した。

 防衛局側から詳細な説明はなく「原因究明と再発防止を米側に申し入れる。迷惑を掛け申し訳ない」と謝罪した。
 (岩切美穂)