「あきらめず戦い続ける」敗北の砂辺、不完全燃焼 「総合格闘技RIZIN」に県勢9人が出場


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 総合格闘技イベント「RIZIN(ライジン)」が2日、沖縄市の沖縄アリーナで行われ、県勢9人が出場した。砂辺光久(reversal Gym OKINAWA CROSS×LINE)は中務修良(NO MAD)に1回1分40秒でレフェリーストップとなりTKO負けした。宮城寛克(赤雲会)は判定3―0で吉野友規(STURGIS新宿)を破り、ライジン沖縄大会2連勝。タナー・ロレンツォ(琉球ファイトクラブ)も勝利した。その他の県勢は敗れた。


無念の砂辺、不完全燃焼

 不完全燃焼だった。県内格闘技界をけん引してきた砂辺光久だが、TKOで敗北した。コーナーに追い詰められ、うずくまった状態で攻勢をかけられた。1度立ち上がるも手数を緩めない相手のパンチに押され、一気に勝負を決められた。悔しさで涙が止まらず、男泣きのまま早々にリングを去った。
 

1Rに相手のパンチを受けて倒れ込む砂辺光久(右奥)=2日、沖縄市の沖縄アリーナ(大城直也撮影)

 対戦相手の中務修良は「最初から自分の作戦がはまり、勢いで相手を飲み込めた。前足の内側を蹴って、普段使わない膝蹴りも思い切り出せた」と勝因を語った。

 砂辺は試合後、「あそこまで持ってかれた自分が弱いが、まだ戦いたいたかった」と無念の表情。「宮城寛克選手以外、県出身選手は勝てなかった。沖縄は最弱と言われてもしょうがない。沖縄の選手が勝って応援団が盛り上がれるよう、あきらめずに戦い続ける」と第一人者として折れない心で奮起を誓った。

(大城三太)


宮城、積極姿勢貫く

 宮城寛克は1回から積極姿勢を貫き、2、3回はパンチを受けても引かずに前へ出た。3回の最終盤は必死でパンチを繰り出す相手にひるまずに立ち向かい、右フック、右足ローキックの強打で判定勝ちへとつなげた。

強烈なキックを打ち込む宮城寛克(左)

 3分3回のキックボクシングルールで対戦し、昨年11月のライジンに続く勝利を収めた。「共に練習したことのある相手で対戦するのは複雑な心境だったが、敬意と尊敬の気持ちで挑んだ。パワーで負けなかった」と意地のぶつかり合いを制した。

 20歳で競技を始め、25歳でプロデビュー。地道にキャリアを積む30歳は「沖縄にはまだまだ強い選手がいる。一緒に沖縄の格闘技を盛り上げていきたい」と決意を込めた。