酔っぱらい客の大声に住民「眠れない」 那覇の商店街で騒音が増えた理由 問題解決へ関係者協議


社会
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騒音問題などについて話し合う平和通り商店街関係者や飲食業者、家主ら=6月30日、那覇市の旧なは商人塾

 【那覇】那覇市の中心商店街で一部飲食店に起因する騒音などが問題になっている件で、平和通りを中心とする商店街関係者と飲食業者、家主らの意見交換会が6月30日、那覇市牧志の旧「なは商人塾」で初めて開催された。飲食業者側は「問題に向き合っていきたい」とし、解決に向けて話し合いを続けることを確認した。

 中心商店街では数年前から飲食店が増え、一部店舗の深夜営業による騒音や酔客の嘔吐(おうと)、放尿といった迷惑行為が頻発している。平和通りには26世帯が住んでおり、住民から「眠れない」などの苦情が出ている。

 意見交換会で平和通り商店街振興組合の饒平名康臣副理事長らは昨年、商店街の規約を「営業は原則午後10時まで」としたことを説明した。

 平和通りで飲食店を経営する新垣亮馬さんは「ここに住民がいるという自覚がなかった。問題に向き合っていきたい」と話した。「営業は原則午後10時まで」とする規約については「賃貸契約書には『営業は何時まで』と書いてなかった。後から言われたら『では家賃は安くできるのか』など、いろんな部分が出てくる」とし、家主や不動産業者も含めて議論したい考えを示した。

 飲食店に建物を貸している呉屋良英さんは「契約書に『近隣に迷惑を掛けた場合は契約を見直す』と書いている」と自身の事例を紹介し、「早く(騒音など迷惑行為を防止する)条例ができてほしい」と期待した。

 騒音が問題となっている飲食店の経営者は「店内の防音はしている」と釈明した。商店街関係者などから「店を出た客のたむろや大声も問題だ」「お客さんをコントロールできるかが大事。みんなで火の用心を呼び掛けながら酔客に声を掛けてはどうか」といった提案があった。

 新垣さんは中心商店街に飲食店が約190店舗あり、このうち約50店舗に呼び掛けて組合の立ち上げを準備していることも説明した。終了後、「前から話し合いたいと思っていたので良い機会になった」と話した。
 (伊佐尚記)