社会

KDDI系がトップシェアの沖縄 コロナと台風も重なり…通信障害で混乱拡大

 KDDI(au)で2日午前1時35分から発生している通信障害は西日本エリアの復旧作業完了まで約33時間を要した。しかし、作業完了後も通信制限があり、3日午後10時時点で完全復旧に至っていない。新型コロナウイルスの感染拡大、台風接近という非常事態の中、丸2日以上、混乱が続いている。沖縄県内トップシェアを誇る通信事業者でのトラブルだけに、影響は甚大だった。 

 県内の新型コロナウイルスの感染状況は全国最悪が続いている。3日時点の療養者数は1万2589人で、そのうち自宅療養は1万566人。県は感染の通知や健康観察に電話を活用しているが、通信障害が起きたことで通話やショートメッセージが使えなくなり、混乱した。食事が自分で用意できない人のための配食サービスも、利用できない人が出たとみられる。

 各保健所は連絡を持ち越す可能性があることをホームページで知らせるなど対応に追われた。

 沖縄地方は2日夜から3日にかけて台風4号が最接近した。沖縄気象台は観測所10地点のアメダスデータを受信できなかった。台風の進路予測などに影響はなかったものの、接近中に雨量や風向、風速などのデータが得られなかった。

 金武地区消防衛生組合消防本部は救急車搭載の携帯がau回線のため、病院との連絡は他社の携帯で対応した。担当者は「搬送中、病院につながらず、他社携帯を使った。二度手間になったが、救急活動に影響はない」と説明した。

 雨の日に利用者が多いタクシーも影響が出た。那覇市内のタクシー業者によると、常連客から「携帯がつながらないから固定電話で掛けた」「いつもとは別の電話で掛けている」などの連絡が相次いだ。担当者は「どれだけの影響があったのかは分からないが、利用したくてもできなかった人がたくさんいたと思う」と話した。

 KDDIを親会社に持つ沖縄セルラー電話の設立は1991年。県内外の経済人でつくる「沖縄懇話会」が「離島県の沖縄は、移動体通信の振興が欠かせない」と提言したことを受け、県内有力企業が株主となって生まれた。業界再編がある中でも創業時の社名を維持して地元密着の営業を続け、au、UQモバイル、povoの県内契約数はことし3月末で75万1900件。県内シェアは5割を超える。(稲福政俊)



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