参院選は10日の投開票まで残り4日に迫った。沖縄選挙区は「オール沖縄」勢力が支援する伊波洋一氏(70)と、自民新人の古謝玄太氏(38)=公明推薦=が事実上の一騎打ちを繰り広げており、支持拡大に向けて両候補者とも県内各地を奔走している。琉球新報と共同通信が合同で実施した世論調査では選挙情勢のほか、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画や9月の県知事選の投票先などについても有権者に聞いた。
(’22参院選取材班)
県内各地区の情勢を見ると、最大の票田である那覇市で伊波氏が先行している。ただ、全県的に投票先を決めていない有権者が3割程度おり、両陣営とも無党派層が多いとされる那覇市を中心とした都市部で取り込みに力を入れる方針だ。両候補とも市内各地をくまなく回り、スポット演説を繰り返している。那覇市や浦添市、宜野湾市などで、どれだけ得票を伸ばせるかが勝敗の鍵を握りそうだ。
保守地盤とされる本島南部と周辺離島、先島地方では古謝氏がやや先行し、伊波氏が猛追する。伊波氏は離島振興を重点政策に掲げ、公示後初の週末は先島地方に入り、スポット演説で支持を訴えた。古謝氏は公示前から自身のルーツがある宮古島市にたびたび入り、支持を固めた。現職大臣も招いて集会を開いた。
主要争点の一つとなっている米軍普天間飛行場の返還・移設問題で、移設先の名護市辺野古を含む本島北部地域では伊波氏が先行し、古謝氏が追っている。伊波氏は第一声を辺戸岬で実施したり、終盤に集会を開催したりした。古謝氏は県内外の国会議員らと街頭演説や集会を開き、支持を訴える。
米軍基地が多く、騒音などの基地被害が絶えない本島中部地域の革新地盤では、伊波氏が安定した戦いを繰り広げており、古謝氏が懸命に追う展開だ。両陣営とも支部を開設し、県議や市町村議員らが票の掘り起こしを図っている。