比例の無効票率、全国一は?沖縄県内、白票を投じる有権者増<ありんくりん参院選>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 政党か個人名を記入して投票する参院選の比例代表で、県内の無効票率が全国で最も高い状況が続いている。総務省のまとめによると、2007年から19年まで5回連続で47都道府県のうち最も高く、近年は割合が上昇している。県選挙管理委員会の資料で無効票の内訳をみると、白票を投じている有権者が増加している傾向が浮かび上がった。

 参院選比例代表では2001年から、政党名か政党名簿に登載された候補者名のどちらかに投票する「非拘束名簿式」が採用されている。政党や候補者名と無関係の記載や、白票を投じた場合は無効票となる。

 比例代表の投票総数に占める無効投票数の割合(無効票率)は、沖縄で07年が6・14%(3万8892票)と全国平均の3・11%を大きく上回り、47都道府県で最高を記録。前回19年の8・33%(4万7457票)まで5回連続で最も高い。

 無効票の内訳をみると、特に10年代に入って白票が増加し、無効票率を押し上げている。10年の白票は1万3712票で無効票全体に占める割合は41・2%だったが、19年には2万4154票となり割合は50・9%に達し、無効票の半数以上を白票が占めるようになった。

 無効票率について、沖縄選挙区では10年を除き全国平均を下回っており、比例代表の割合の高さが際立っている。

 県選管は「分析はしておらず、原因は把握できていない」と話す。比例代表投票用紙の書き方の分かりにくさや無党派層の増加などの影響が考えられるが、沖縄だけの事情ではないため、原因の特定が難しい。

 県内では10年代、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画に反対する「オール沖縄」勢力が新たな政治潮流として台頭した。特に沖縄選挙区の議席を巡って政権与党とオール沖縄の対決構図が続いていることから「既存の政党の枠組みで投票する比例への関心や期待が薄れているのではないか」(ある県内政党幹部)との指摘もある。 (’22参院選取材班)