参院選は10日の投開票まで残り4日に迫った。沖縄選挙区は「オール沖縄」勢力が支援する伊波洋一氏(70)と、自民新人の古謝玄太氏(38)=公明推薦=が事実上の一騎打ちを繰り広げており、支持拡大に向けて両候補者とも県内各地を奔走している。琉球新報と共同通信が合同で実施した世論調査では選挙情勢のほか、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画や9月の県知事選の投票先などについても有権者に聞いた。
(’22参院選取材班)
<玉城県政>「支持する」59.7% 「支持しない」は29.6%
4年間の任期の最終年を迎えた玉城デニー県政については「支持する」が59.7%で、「支持しない」は29.6%、「分からない.無回答」は10.6%だった。「支持する」との回答は性別では、女性61.8%、男性57.5%で、女性の方が高かった。年代別では29歳以下、30代、40代、50代、60代、70歳以上の全年代で50%以上を記録した。最も高かったのは70歳以上で73.9%、次いで29歳以下で61.6%だった。
支持政党別の玉城県政への支持率は自民支持者のうちの45.8%、立憲民主87.7%、維新54.5%、公明51.3%、国民民主87.4%、共産71.0%、れいわ66.3%、社民94.8%、NHK党8.2%、「支持する政党はなし」では55.5%だった。
2021年10月に本紙と共同通信が合同で実施した調査では、玉城知事の県政運営を「評価する」「どちらかというと評価する」は計69.2%だった。「評価しない」「どちらかといえば評価しない」は計26.8%で、高支持率を維持している。
<知事選投票先>対立構図 知事選でも 両氏の支持層割れる
9月11日投開票の知事選の投票先を決めているとした回答のうち、現職.玉城デニー氏の支持者の8割は伊波洋一氏に投票すると回答し、前宜野湾市長で自民が推す、佐喜真淳氏の支持者の9割は古謝玄太氏に投票すると答えた。伊波氏を支援する「オール沖縄」勢力、古謝氏を支援する自民の各支持層によって、来る知事選の投票先がはっきりと分かれ、前哨戦に位置付けられる参院選の対立構図は知事選にも引き継がれる見通しだ。
一方、全体では知事選の投票先を「まだ決めていない」とした回答が4割以上に上っており、無党派層への浸透が両氏ともに鍵となる。
政党支持別では、立民支持層の7割、社民支持層の8割が玉城氏を投票先として選んだ。NHK党支持層の5割弱、自民支持層の2割強は佐喜真氏を投票先とした。
県政の課題となっている米軍普天間飛行場の返還.移設問題を巡り、辺野古移設を「容認するべきだ」とした回答者の2割強は佐喜真氏を投票先とした。「県外」「国外」「閉鎖.撤去」を求めるとした回答者のうち、いずれも5割程度が玉城氏を投票先としている。