労災死傷最多1611人 沖縄県内21年、コロナが押し上げ


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 沖縄労働局(西川昌登局長)は6日までに、2021年の県内の労働災害発生状況について、全産業の休業4日以上の死傷者が前年比259人増の1611人だったと発表した。統計を開始した1972年以降で最多となった。死亡者は同3人増の12人だった。新型コロナウイルス感染症の流行が労働災害増加の要因となっている。

 死傷災害は1972年以降減少傾向にあったものの、99年を境に増加傾向に転じている。産業別では保健衛生業が422人と最も多く、他業種381人、商業246人、建設業206人と続いた。

 死亡者は12人中6人が建設業で半数を占めた。建設業は例年死亡者の割合が高く、転落や墜落など、重い被害を招きやすい事故が他の産業より多い傾向にある。

 コロナ感染を除いた事故の内訳は「転倒」が最多の336人となり、「動作の反動、無理な動作」が220人、「墜落、転落」が209人だった。

 新型コロナウイルス感染症の死亡者は1人で前年はゼロ。死傷者は前年比234人増、約3・5倍となる329人だった。そのうち保健衛生業が63・2%と過半数を占めた。

 全産業における労働者千人当たりの死傷者数を示す「死傷千人率」は2・65人となり、全国との比較で0・01ポイント低かった。

 西川局長は「新型コロナウイルス感染症関連で死傷者は確かに増加しているが、それを除いても災害は増えており、危機的状況だ。労働者が不幸にならないよう、業界としっかりと連携して取り組まないといけない」と話した。(小波津智也)