最終盤の手応えは?情勢どう見る? 参院選沖縄選挙区の両選対幹部に聞く


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 10日投開票の参院選沖縄選挙区は、「オール沖縄」勢力が支援する無所属現職の伊波洋一氏(70)と自民新人の古謝玄太氏(38)=公明推薦=が事実上の一騎打ちを展開している。選挙戦最終日を前に、両氏の選対幹部にこれまでの取り組みへの手応えや有権者へ訴えたいことなどを聞いた。(’22参院選取材班)


伊波陣営 新垣邦男共同代表 県民意思は辺野古反対
 

選挙活動の手応えを語る新垣邦男共同代表=宜野湾市内

―最終盤の手応えは。

 「手応えはあるが、報道のような先行ムードはない。相手候補の追い上げに危機感を持ち、日々結束力が増している。沖縄の誇りと野党共闘の名にかけて、どうしてもこの議席を守らないといけない」

―情勢をどう見るか。

 「沖縄は基地問題のほかにも解決できていない問題が多い。自公政権に議席を取られると、県民は政府の意向を理解していると捉えられかねない。辺野古新基地建設は72%の反対があり、決して県民全体が容認しているわけではない。今選挙を通して、そのことを国に理解させないといけない。コロナ禍から県経済や県民生活の回復のためにも、今選挙で勝って野党共闘で消費税の時限的5%への減税を国に求めていく」

―最終盤に力を入れる取り組みは。

 「確実に投票行動に結び付いているか、各市町村支部や組織に点検を急ぐよう促している。接戦に持ち込まれたら、動員力と組織力に勝る相手候補が有利だ。期日前投票を含め、いかに投票所に足を運んでもらうかが重要だ。最後は電話掛けや対面での声掛けの徹底などが重要になる」

―有権者に訴えたいことは。

 「伊波氏はこの6年間、県民の声を精力的に国会に届けてきた。このことを県民に広く浸透させなければならない。特に今回は復帰50年を経て、今後50年でどんな沖縄を作っていくかを問う選挙だ。全国と比べ遅れている県民所得や子どもの貧困、社会保障などの課題解決に向けては、これまでの沖縄の歴史を検証しながら取り組まなければならない」

(聞き手 比嘉璃子)


古謝陣営 中川京貴選対本部長 行動力で経済危機克服
 

選挙活動の手応えを語る中川京貴選対本部長=那覇市内

―最終盤の手応えは。

 「手応えは非常に感じている。まずわれわれは各市町村に支部を構え、知名度を上げるために工夫している。そして100以上の企業・団体から推薦を受けた。また公明の比例候補、窪田哲也氏とセットで選挙を戦っている。経済団体や支援組織の取り組みを急ピッチに進めている。38歳の古謝玄太の個人的な魅力もあり、急速に支持拡大を広げた。課題だった知名度不足は払拭(ふっしょく)できたと認識している」

―情勢をどう見るか。

 「接戦に持ち込むことができた。まだ相手候補の後ろにはいるが、投票日までには何とか追い付きたい。そのためには期日前に全力投球したい。まだ順調と言えないが、各支部の期日前担当者を通じて注力する」

―最終盤に力を入れる取り組みは。

 「友党の公明と連携を取りながら、比例候補の窪田氏と2人でセット選に引き続き取り組む。自公政権だからこそできる政策の実現を訴える。過去の選挙を見ても、これまで那覇市で相手に敗れて勝った選挙はない。最終盤は那覇市の勝負だ。浦添、宜野湾にも力を入れていく」

―有権者に訴えたいことは。

 「新型コロナウイルスの影響で沖縄経済、特に観光産業がガタガタだ。物価高や燃料高騰も加わる最悪な状況もある。われわれはこの経済危機を乗りえて、元の穏やかな県民生活を取り戻したい。元総務官僚の古謝玄太は知識と経験があり、もはや新人ではない即戦力だ。危機の克服に貢献できる。こういう時期だからこそ、38歳の若さと行動力で元の県民生活を取り戻すと訴える」

(聞き手 梅田正覚)