東日本大震災の遺骨「工事で埋めないで」 ガマフヤー具志堅さんが感じた沖縄戦遺族との共通点


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トークライブを行う(左から)渡瀬夏彦さん、具志堅隆松さん

 【那覇】ノンフィクションライターの渡瀬夏彦さんと沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表・具志堅隆松さんのトークイベントが6月12日、那覇市牧志のジュンク堂書店で開かれた。

 トークライブでは具志堅さんが2022年1月2日、福島県大熊町の「帰還困難区域」内で木村紀夫さんの次女、汐凪(ゆうな)さんの遺骨(大腿骨)を収集したことを紹介した。東日本大震災で行方不明となった汐凪さんの遺骨の一部は見つかっていなかった。

 具志堅さんは「木村さんは自分だけのために税金(遺骨収集)を使わせるのは苦しいって言うんですけど、沖縄戦の遺族とよく似ていると思った」と話し、防潮堤や防波堤の工事で、遺骨が埋められてしまうことに対して「福島県知事や大熊町長へ遺骨を収集するまで工事を行わないでほしいと訴えたい」と述べた。

 具志堅さんは国主催の全国戦没者追悼式に対して「国は亡くなった遺族に対して加害性があり、糾弾される立場。遺族の怒りを誇りにすり替える装置が靖国(神社)だと思う。追悼式典は国民が主催するべきだ」と訴えた。
 (喜納高宏通信員)