美里工、大城が連続完封 ベスト4決定 夏季高校野球沖縄大会 準決勝は16日


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美里工―北谷 北谷を5安打完封し、捕手の仲西世宇(左)と抱き合う大城輝斗=10日、沖縄市のコザしんきんスタジアム(喜瀬守昭撮影)

 第104回全国高校野球選手権沖縄大会の第10日は10日、沖縄セルラースタジアム那覇とコザしんきんスタジアムで準々決勝4試合を行い、4強が出そろった。KBC未来は12―9で与勝を破り初の4強入り。興南は宜野湾を5―0で下し3年ぶり29度目、シードで唯一残っている沖縄尚学は豊見城に11―0の五回コールドで勝利し、2年連続27度目の準決勝進出を果たした。美里工は2―0で北谷に勝ち、4強入りは3年ぶり6度目。16日の準決勝はセルスタでKBC未来と興南、沖縄尚学と美里工が戦う。決勝は17日に同球場で行う。

 九回2死一塁。最終打者へ強気の内角直球で見逃し三振に仕留めると、バッテリーで抱き合って喜んだ。美里工のエース大城輝斗(きらと)と捕手の仲西世宇(ゆう)が、北谷打線を散発5安打に抑え4強に名乗りを上げた。

 大城は12奪三振の快投で、前日の3回戦に続き2連続の完封勝利。序盤は直球中心の配球だったが、北谷打線に捉えられた。仲西は大城の球威が落ちていることも考慮し、中盤から変化球中心に変えて的を絞らせなかった。浦添広志監督も「配球リードがみごとだった」とうなった。

 七回2死から2安打され一、二塁のピンチとなり1番打者を迎えると、仲西はマウンドへ向かう。「お前なら余裕だろ」。ハッパを掛けられた大城は「リラックスできた」と笑って返し、落ち着いてスライダーで見逃し三振に打ち取った。

 大城は「気持ちよく終わりたかった」と、最終打者への決め球を自信のある直球にこだわった。変化球を要求した仲西は不安もあったというが、大城がきっちりと決めて「この3年で一番いいボールだった」とたたえた。次戦に向け2人は「チャレンジャーとして全力で頑張りたい」と腕をまくった。
 (金良孝矢)

美里工―北谷 4回2死三塁、好守備でピンチをしのぐ北谷の野原琉矢(喜瀬守昭撮影)

直球狙うもホーム遠く/北谷

 直球に狙いを付けて粘った北谷だったが、本塁は遠かった。初先発ながら4打数3安打と気を吐いた8番の野原琉矢(3年)は「このメンバーで野球ができるのは最後で悔しい気持ちでいっぱい」と振り返った。一塁手の野原は四回2死三塁のピンチで、ライナーに飛びつき好捕する活躍も見せた。

 投げては永山大地(2年)とエース知念柊哉(3年)の継投で合計8被安打も2失点にとどめた。與儀正監督は「我慢強い面が出て、1試合ごとに成長してくれた」とメンバーの奮闘をたたえた。
(金良孝矢)