「経済・貧困・基地」3つに取り組む 再選の伊波洋一氏にインタビュー 参院選沖縄選挙区


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2期目に向けて意欲を語る伊波洋一氏=11日午前、那覇市泉崎の琉球新報社(又吉康秀撮影)

 琉球新報社は11日、10日に投開票された参院選沖縄選挙区で再選を果たした伊波洋一氏(70)を那覇市泉崎の本社に招き、2期目の決意や政策課題への対応などについて聞いた。聞き手は島洋子編集局長。

 ―選挙結果をどう受け止めるか。

 「前回はオール沖縄絶頂期の中で10万票差で勝利した。2888票の差はとても貴重だ。今回は政府が官僚上がりの無名新人候補を押し立てて、辺野古新基地建設容認、南西諸島のミサイル配備賛成を言わせ、沖縄の民意をつぶしにきた選挙だった。だが、それを県民が各地域ではね返した。20年以上続く辺野古新基地建設反対の流れで培われた、県民の民意が具体的に表れた。しっかり補強しながら知事選に向かいたい」

 ―今後取り組みたい公約は。

 「3つ並列で、コロナ禍からの観光経済と県民生活の回復、子どもの貧困対策、基地のない平和な沖縄の実現を目指す。物価高対策として消費税5%減税を実現したい。子どもの貧困問題は県民所得が全国平均の7割にとどまり、全国最下位で推移していることが背景にある。県民所得が上がらないのは復帰から50年がたっても米軍基地が在り続けるからだ。その代償として国に医療費や教育費、給食費の無償化を強く求めていく」

 ―ウクライナの問題で、全国的に日本は軍備を増強すべきだという指摘が上がるが、どう平和を訴えていくか。

島洋子 編集局長

 「ジュネーブ条約追加議定書は、国は国民を戦争の危機にさらしてはならないと定める。住民が逃げられない島での基地建設はそれに違反する。政府は南西諸島の軍事化について、沖縄は空白地帯だから基地を置くと主張するが、平和をつくるには空白地帯を意図的につくることが有効だ」

 ―全国的に自民党が圧勝した中で、自身が議席を維持したことの意義は。

 「沖縄は日米安保体制に関して、日本の立ち位置が見える場所だ。安保条約は日本を守るものではない。日本を盾にして、米国を守るものだと全国に知らせていきたい」

 ―改憲勢力が議席数を伸ばした中で、改憲の動きにどう対応するか。

 「国内では日本がいかに平和憲法によってその地位を維持してきたか、問われることがまだない。平和憲法が意味することを国民が理解しなければならない」