「社会的制限が必要」沖縄コロナ急拡大で警鐘 県疫学・統計解析委員会


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 新型コロナウイルスの県疫学・統計解析委員会は12日、先週(4~10日)の新規感染者数を基に感染状況を分析した結果、現状の医療提供体制では「これ以上の感染拡大は許容できず、何らかの社会的制限が求められる状況となっている」と警鐘を鳴らした。感染拡大が続いた場合は「昨年8月のように、入院できない患者が多発し、死亡者が増加する可能性がある。これは医療崩壊を意味する」と指摘した。

 同委員会は先週のデータから、1人の感染者が平均何人に感染させるかを示す実効再生産数が本島1.29人、宮古1.39人、八重山1.76人となり「全県的に急速に感染者が増加している」と分析した。感染力の高いオミクロン株派生型「BA・5」への置き換わりが進むことで、今週の新規感染者は2万~3万人と見込む。ただ「検査・受診体制が限界となり、報告数が2万人前後で頭打ちになる可能性がある」とした。入院患者数は今週末までに420~490人になると予測する。

 1月から7月7日までに死亡した感染者95人の推定経路を集計した結果、施設内感染が45.3%、医療機関の院内感染が22.1%で施設や院内での感染が7割を占めたという。死亡者を減らすために「高齢者施設や病院における集団感染の予防や支援体制が重要」としている。
 (嘉陽拓也)