島挙げて長寿の喜び 福島出身の石川さん、カジマヤーパレード


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
沿道住民の盛大な祝福に応える石川ツネさん=11日、名護市済井出

 【名護】名護市済井出の石川ツネさん(96)のカジマヤー祝いが11日、盛大に催された。済井出区に古くから伝わる琉歌「下の門(しちゃんじょう)ぬ黒潮(くるす)渡ららん黒潮、七つ橋かきてぃ渡ちたぼり」にちなみ、当日は飾り付けられたオープンカーで集落内の七つの小橋を渡った後、屋我地島内の各字をパレード。行く先々で長寿にあやかりたいとの多くの住民から祝福を受け、一人一人に祝いの風車を手渡した。

 行き交うレンタカーからも手ぶりや拍手が送られ、島内2カ所で屋我地青年会による勇壮なエイサーに出迎えられた。
 ツネさんは1919(大正8)年12月1日、福島県の生まれ。2011年12月に、息子で済井出婿の田中治さん(66)の呼び寄せで千葉県船橋市から済井出へ移住した。長年生命保険会社の保険募集員を勤め、同社で日本一の成績を3回も受賞した経歴を持つスーパーウーマンだ。
 カジマヤー祝いの感想を尋ねられ「(沖縄式の祝いは)初めてのことで、すごくわくわくしている。島の人は優しくて心が温かい」「(カジマヤー衣装は)沖縄の風習と思うが、何だか小っ恥ずかしい」とはにかんだ。
 健康の秘訣(ひけつ)は「楽天家でくよくよしないこと。デイケアでのおしゃべり。魚、野菜が好きで、肉はあまり食べない。若いころはスポーツ好きでおてんばだった」と明かした。
 ツネさんはパレード後、自宅庭の特設会場で千葉や東京から駆け付けた子や孫、近在の住民ら150人余が参加しての沖縄式カジマヤー祝いにすっかり見入っていた。
 千葉県内の会社を定年退職後、同区で海人(ウミンチュ)として活躍しながら、1年前から当日の祝いの準備を進めてきた治さんは「島内パレードでは各字で温かく迎えていただいた。屋我地の素晴らしさに100パーセント、屋我地エイサーに200パーセント感謝」と述べた。(嶺井政康通信員)