泥だらけで迷子の児童…声を掛け保護 夫婦で連携、糸満署が感謝状


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(左から)島雅孝糸満署長、津波古勝示さん、鈴奈さんとゆらちゃん=6日、同署

 【糸満】糸満署は6日、迷子の男児を保護し、無事に送り届けたとして、豊見城市の津波古勝示さん(31)と、鈴奈さん(28)夫婦に感謝状を贈った。2人は「自分の子どもが同じ状況にいたと思うとつらい気持ちになった。人助けになり良かった」と話し、長女ゆらちゃんと3人、笑顔で一緒に感謝状を受け取った。

 糸満署によると、6月10日、八重瀬町内の小学1年の男児(6)が、下校時にスクールバスを降りた後、迷子になった。泥だらけになってさまよう男児を、帰宅途中だった勝示さんが豊見城市内で発見し声を掛けた。事情を聞き取った勝示さんは、電話で鈴奈さんを呼び出し一緒に保護。無事に男児を保護者宅に送り届けた。

 捜索届けが出され、日も暮れかけていた頃の無事保護の一報に、捜索中だった糸満署をはじめ関係者一同、胸をなで下ろしたという。勝示さんは「今の時代は(子どもに)声が掛けづらいが、ひとりで歩く姿を見過ごせなかった」と振り返る。

 鈴奈さんは「自分も同じ状況になったら、事件や事故に巻き込まれる前に、声を掛けるようにしたい」と話す。

 糸満署の島雅孝署長は「声を掛ける機転と、不安を和らげる気配りが早期解決に導いた。夫婦のあうんの呼吸が生かされた」と2人の行動をたたえた。

 

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