会員制の講演会組織「琉球フォーラム」(主宰・普久原均琉球新報社長)の7月例会が13日、那覇市のホテルロイヤルオリオンで開かれた。京都精華大前学長で現在同大全学研究機構長・教授のウスビ・サコ氏が「多様性と持続可能な(共生社会の)あり方を考える」を題に講演した。
グローバル化が進み日本でも留学生の受け入れが拡大する。一方、家を借りる際の礼金や、住む上でのマナーなど賃貸時の契約書に明確に書かれていないことも求められるといった、外国人が日本で暮らす上で戸惑う事例を紹介した。
これらは日本が文化的均質性が高いことを背景とした、直接的な言葉ではなく文脈や暗黙知など空気をよんで対応する「ハイコンテクスト」文化だからこそ通用してきたと指摘した。異文化の受け入れを進める上では論理性を重視してコミュニケーションをとる「ローコンテクスト」文化への転換の必要性を訴えた。
西アフリカのマリ共和国出身。一夫多妻制が認められていることや、出合い頭のあいさつが長時間に及ぶなど日本とは異なる文化を紹介。日本国籍を取得したが「日本に同化するつもりはない。(自らの)軸を持ちながら日本社会をつくることに関わりたい」と意欲を語った。